2001~2014年まで、京都市左京区にあった「ガケ書房」店主、山下賢二さんの自伝的随筆集。
本が好きで、学校では一言も喋らない、一風変わった少年がやがて青年期に家出を経て、本屋を開き、そして閉じるまでの記録であり、一人の人間が思い悩んで行動した思考と行動を巡る私小説側面も。
学校でも家でも、楽しくないわけではないのに、どこか居場所を求めて、本屋のなかに安らぐ場所を見つけた「やましたくん」は、いつしか自分でその場所を作ってみた。
京都は、現在でも書店・古書店がまだまだ多く、読書人口が高い場所。そこで一風変わった店構えのガケ書房は、どう試行錯誤して、作られていったのか、一面を垣間見ることもできます。
本好き、本屋好きの方へ、本がなくてはならない人へ、読んでほしい1冊。山下さんのサイン入り。