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室町時代から江戸時代にかけて成立した短編物語で、多種多様な物語が絵とともに描かれたものを「御伽草子」と呼びます。
その中にある「象の草子」を、作家の堀江敏幸さんが現代版に書き上げ、MARUUさんの挿絵がたくさん入った現代版絵物語として出版された1冊。
「猫のつなをといて、自由にしてやること」
ある日、太平の京の都に出されたお触れから巻き起こる、猫と鼠の諍い。
仲介役に入った象の僧のとった行動とは。
擬人化された動物たちの豊かな心の機微が、実に人間らしく描かれて、ユーモアを誘います。
マルーさんの描く動物たちの姿も、とてもいい仕草で、猫好きの方にも、昔話が好きな方にもオススメの1冊です。
2015年10月初版
堀江敏幸:作家、仏文学者。『熊の敷石』で芥川賞受賞、『雪沼とその周辺』で谷崎潤一郎賞受賞。
MARUU(マルー):画家
多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業後、University of the Arts London Camberwell College of Artsにてイラストを学ぶ。書籍の装画、挿絵を多く手がける他、絵本、漫画なども発表。
鮮やかな色彩に生命力が溢れる絵から繊細な鉛筆画など、植物から動物、見えない生き物に対する大きな愛情をもった画家の眼差しを感じる。
絵本に『わたしのものよ』(WAVE出版)『ライオンとタカとアリになった男の子』(菱木晃子文:BL出版)
http://maruu.illust.jp/